のび太の言葉には教えがつまっている 　『ドラえもん』登場人物の中で、最も吹き出し（せりふの入る枠）が多いのは、やはり、のび太。 短編では全せりふの約4割が、のび太の言葉です。 のび太の言葉を詳細に分析するうちに、私は、そこにすばらしい教えがたくさん詰まっていると気づ きました。人生を楽に、自分らしく生きながら夢を叶えるヒントが、そこかしこに見つかるのです。 　ここでは、吹き出し数にして約3万6千もある、のび太のせりふの中から、「のび太の名言ベスト10」 を選んでみました。 のび太の名言録　　第９位 ＜場面状況＞ 　のび太は、ドラえもんからひみつ道具「腹話ロボット」を貸してもらった。このロボットはいかにも もっともらしく、「人形が人間の口を動かして、その人の声でうまいことしゃべる」ことができる。腹話 ロボットを肩に乗せて、道を歩いていると、先生から、「こら野比！」と呼び止められ、「今回のテスト をみなさい。宿題もせずにフラフラと遊びまわれる身分かね」と厳重に注意された。 　のび太は「パカ」と口を開いて、「クラス全員が必死に勉強したとしてもテストをすれば・・・・・かなら ず順番がついて誰かがビリになる！　だから・・・だからぼくがぎせいになって0点を・・・」と強く訴え、 そして、「世の中にこんなバカが一人ぐらいいてもいいんじゃないでしょうか」と話を結んだ。 　すると、大いに感激した先生は「野比！」と肩に左手を乗せ、「きみがそんなやさしい子だったとは。 先生は誤解していたよ」心からわび、「これからもがんばって、0点をとりなさい」と激励し、右手を大 きく振って立ち去るのび太を見送った。 のび太の名言録　　第８位 ＜場面状況＞ 　のび太は、しずかちゃんから「いつもいっしょに問題をやろうといって、あたしの答えをうつすだけで しょ。たまには自分でやらなくちゃだめ！」とキッパリと断られてしまった。心配になったので、ドラえ もんに将来しずかちゃんと結婚することになっているけれども、「どうも今のところそんなムードじゃ ないんだ」と相談を持ちかけた。ドラえもんも「あんないい子がなんだってよりによってのび太くんな んかと。もう少しましな男がいっぱいいるのに・・・」と言い出す始末であった。 　2人はそのあたりの事情を確かめるために、「タイムテレビ」で14年後の10月25日に婚約するので、 その少し前をチェックすることにした。すると、のび太青年は鼻水をズーと垂らしながら、しずかちゃん に冬山に「行くの？行かないの？」と詰問されていた。のび太青年は頭をかきながら、「行きたいん だけれどね・・・・・。坂道によわくてねぇ。平らな山ならいいんだけど・・・・」と、相変わらず進歩しない 姿をタイムテレビにさらしていた。 9位も8位もゆるい感じでのび太らしさがよく出ていますね。 次回は第7位に続きます。